土地探しにおいて、立地や価格と同じように、生活スタイルを事前に考えることが大切です。どのような間取りにするか、どのような庭を設けるかは、道路が面している方角に合わせて考え方が大きく異なります。接道と敷地の配置計画について基本的な考え方をご紹介します。

 

敷地の構成する要素

ここでは敷地内を「駐車スペース」「庭スペース」「建物スペース」の3つの要素に分けて考えます。

まず「駐車スペース」については、敷地の有効活用を考え、道路面に沿って設けるとともに、玄関までの最短ルートを考えることが一般的です。
次に「庭スペース」と「建物スペース」について考えます。ポイントになるのは建物の影です。日本では太陽は東から昇り、西へ沈みます。影は太陽の位置と逆方向へ延びるので、朝は西側、昼は北側、夕方は東側へと延びます。つまり建物をどこに配置するかによって、敷地内で影となってしまう範囲が異なります。
洗濯物を干す、ウッドデッキで寛ぐ、といった明るく暖かい庭は、できるだけ影にならないスペースを作りたいものです。そうするためには庭を建物の南側に配置することで日中どの時間帯でも日の光があたる明るい庭を作ることができます。建物についても同様で、朝日をたくさん取り込めるリビングを作るには、東側に庭を作るなど、開放感のあるスペースを作ることが必要です。一日の流れの中でどのように日光を取り込むかを考えることが配置計画の軸となります。

・駐車スペースは道路に近い方が敷地を有効活用できる
・明るい庭や居室は建物の影にならない位置に作る必要がある

以上のことを、接道の向きと併せて考えます。

 

南道路の場合

敷地内の配置計画

敷地に対して南側に道路が面している場合は、道路から見て「駐車スペース」→「庭スペース」→「建物スペース」という配置が一般的です。
「駐車スペース」と「庭スペース」を連続させやすく、駐車しない時には大きな庭として一体で使うことができ、一日中敷地全体で陽当たりを確保できます。

間取り(参考)

南側がひらけているので室内へ陽当たりを確保しやすいことが最大のメリットです。
道路が南側にあることから玄関も建物の南側へ配置することが一般的です。明るい玄関を作ることができますが、本来明るい南側一面に設けたいLDKや居室スペースの一部を使用することになってしまいます。

 

北道路の場合

敷地内の配置計画

敷地に対して北側に道路が面している場合は、道路から見て「駐車スペース」→「建物スペース」→「庭スペース」という配置が一般的です。
建物を中心として南北に屋外空間を設けます。陽当たりに関しては隣地からの影響を受けやすいですが、南側の「庭スペース」は道路側からは見えなくなるのでプライバシー性の高いプライベートガーデンを作ることができます。

間取り(参考)

明るいLDKを作るには、南側隣地の建物から距離を保って建物を配置することが必要です。
玄関は北側に配置することから、建物内の南側全体をLDKや居室の空間とする計画が可能です。道路側からLDKが見えないことから、通行人からのプライバシーを確保しやすいことが特徴です。

東・西道路の場合

敷地内の配置計画

道路が東側・西側に面している場合は、陽当たりを確保するために「建物スペース」を北側寄りに、「駐車スペース」「庭スペース」を南側に配置する計画が一般的です。
東道路であれば朝、西道路であれば昼頃からの陽当たりを確保しやすく、逆の時間帯は隣地の影の影響を受けやすいのが特徴です。敷地の間口の広さによっては計画を工夫する必要があります。

 

間取り(参考)

玄関を北側寄りに配置することで建物の南側をLDKや居室空間として使うことができます更に道路からは見えにくく、プライバシーの確保との両立も可能です。
南道路・北道路敷地のメリット・デメリットを併せ持つようなイメージで、敷地の形状に応じて柔軟な計画が必要となります。

まとめ

道路の向きによって敷地の使い方で工夫しないといけないポイントが大きく異なります。インナーガレージを作る場合は北道路がオススメ、など実現したい生活スタイルから考えることも大切です。また接道の向きによって物件の価格にも差が生じることから、立地・プランニング・費用など、様々な条件から優先順位をつけることが大切です。土地探しで失敗しないためにも建物(家)のプロであるハウスメーカーに相談することが大切です。

 

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